若者のパソコン離れと言われて久しいですが、実際に会社で仕事をする上においてパソコンは重要なツールであることは、今も変わりがありません。
もちろん、メールや動画などはスマートフォンなどで十分でしょうが、エクセルやワード、プログラミング、PhotoshopやIllustratorなどの専門的なアプリケーションを使うためには、パソコンが必須です。
最近、当塾に来られた方で「ちらしを作るように会社から命令されたけど、パソコン全く使ったことなくて・・・」という方が来られました。パソコンを全く使ったことが無い人に、ちらしを作るように命じる会社もどうかと思いますが、よっぽど人がいないのでしょうか・・・。
それはさておき、今回は「家電量販店でパソコンを買わないほうが良い理由」を考察してみたいと思います。
年々、低価格化が進むパソコン市場
30年ほど前まで、パソコンは非常に高価なモノでした。
値段でいえば、ざっと30万円以上が当たり前の時代だったのです(モノによっては100万円以上でした)。まさしく、軽自動車並みのお値段ですね・・・。最近は技術革新もさることながら、パソコンに使われるパーツの低下価格化が進み、現在の値段まで価格が下がりました。
DAMなどの工場での大規模生産や、企業間の市場における競争原理が働いたのも大きな要因でしょう。
下記は1990年代からのパソコンの価格の遷移です。
年代 | 平均価格 |
1990年 | 約35万円 |
1995年 | 約24万円 |
2000年 | 約18万円 |
2005年 | 約13万円 |
2010年 | 約10万円 |
2017年 | 約8万円 |
1990年代は、パソコンの価格は総じて高く、パソコン一台の平均価格はおよそ30万円前後もしました。しかも、ハードディスクの容量が16Mという、恐るべき少なさ。昨今の、USBでさえ8Gや18Gなどが当たり前ですから、当時は考えられないぐらいの容量の少なさだったのです。
このぐらいの容量だと、データを保存するにしても非常に大変だったと思います。
現在では、ハードディスクの大容量化・低価格化が進み、2Tのものが8千円ほどで購入できます。パソコンを歴史を知っている人であれば、まさしくビックリするほどの出来事なのです。しかし、あまりにも安くなりすぎて市場が縮小しつつあることもまた事実です。
近年では、ミドルクラスのパソコンが多く、7~8万円のパソコンが多く登場しています。
2Tのハードディスク
- I-O DATA HDD 外付けハードディスク 2TB USB3.0
- BUFFALO USB3.0 外付けハードディスク PC/家電対応 2TB
- Seagate 内蔵ハードディスク 3.5インチ 2TB 2年保証
パソコンを買う時のちょっとしたコツ
さて、そんなあり得ないぐらいの低価格化が進んでいるパソコンですが、パソコンの購入を考えている人はまず家電量販店でパソコンを購入しようと考えると思います。
ですが、私的にはあまりお勧めできません。
それは以下の3つの理由からです。
- ネットで購入する場合と比べて高い。
- 大したサポートは期待できない。
- 余分なアプリケーションが、これでもかと思うぐらい入っている。
1.ネットで購入する場合と比べて高い
まったく同じメーカーのパソコンでも、家電量販とネットでは大きく価格が異なる場合があります。ネットで購入しても同機種・同性能なので、少しでも値段が安いところで買ったほうがお得です。メーカーの保証期間は大抵1年であり、どちらでも購入しても同じです。
ネットなどで商品を購入することに抵抗感がある人もいると思いますが、ちゃんとしたところで購入すれば大丈夫です。ネットを利用する場合は、下記のようにちゃんとした会社から購入しましょう。
※上記3社は信頼できるネット通販会社です。
2.家電量販店で買っても、大したサポートは期待できない
家電量販店で買う人は、後々のアフターサポートも視野に入れている人が多いと思います。
ですが、私の経験上、家電量販店のパソコンサポートはあまり当てになりません。技術的に詳しくない人も多いうえに、サポート料金は決して安くないからです。
むしろ、ほとんどのパソコンのソフトに起因する症状は、ネットを参照するれば解決できることが大半を占めています。ハード的なトラブル(液晶割れ、ハードディスクの故障)なども、専門的なパソコン修理屋に依頼したほうが、安上りな場合もあります。
家電量販店のパソコンサポートを全面的に信頼していると、ガッカリするケースが多いのです。ほどほどに考えておくほうが良いでしょう。
3.余分なアプリケーションが、これでもかと思うぐらい入っている
家電量販店などでパソコンを購入したことがある人なら分かると思いますが、余分なアプリケーションがこれでもかと思うぐらいインストールされています。
アプリケーションに詳しい人なら、どれが不要で、どれが必要なのか分かりますが、大抵の人は判別できないと思います。多くのアプリケーションが入っているということは、それだけ、動作は不安定になり、起動までの時間も比例して長くなります。
しかも大抵の場合、ほとんど使いません。というか、使い道がないのです。そんな無駄なアプリケーションが満載のパソコンを買うよりも、必要最低限のアプリケーションを選んで購入したほうが、はるかに安上がりです。
上記の理由から私は家電量販店でのパソコンの購入はお勧めしていません。もちろん、家電量販店を否定するつもりはありません。ですが、これらの理由はどれも事実なのです。
これを踏まえた上でパソコンを購入するのであれば、それはその人の判断です。
パソコンを買う時に注意する5つの要件
パソコンを購入するときに、いくつか注意するべき点があります。
それが以下の5つです。
- 知らない会社・怪しい会社からパソコンを購入しない。
- 安すぎるパソコンにはご注意を。
- パソコンは消耗品である。
- 中古品は避けたほうが無難。
- 用途にあったパソコンを選ぶべし。
知らない会社・怪しい会社からパソコンを購入しない
いくら安いからと言っても、聞いたこともないような会社からをパソコンを買うのはリスクがあります。購入するのであれば、会社の情報をまずネットで調べましょう。
「会社は本当に存在しているのか」「どこに会社があるのか」「会社のネットでの評判はどうなのか」など、ある程度調べておくべきです。あやしい会社は、必ずと言っていいほど、ネット上で被害報告が多数見受けられます。
購入する際には、個人情報を入力する必要があることも留意しておかなくてはなりません。過去に個人情報が大量に流出した企業は、要注意です。私ならどんなに大きな会社でも二の足を踏みます。
購入する前の下調べは、非常に重要です。
安すぎるパソコンには要注意
「パソコンなんて一番安いのを選んでおけばいいか」と考えている人は要注意です。
同じメーカー製で同一機種にも関わらず、値段が非常に安い場合も同様です。これには何かしらの裏があります。中古品を新品と偽って販売しているか、パソコンの性能が著しく悪い可能性もあります。
特に、聞いたことも無いようなメーカー名の場合は、中国製である可能性が非常に高く、性能は最低レベルです。ひどいケースでは、購入した初日にOSが起動せずに、全く使用できなかった例もあります。(依頼していきたお客さまのケースでした)
恐らく、ろくに検品もしていなかったのでしょう。会社名は記述しませんが、かなり安いパソコンやタブレットを販売している会社です。安くても良いという人は、それなりのリスクを覚悟した上で購入する必要があります。
パソコンは消耗品である
パソコンは消耗品です。いつか必ず壊れます。なので、メーカーは最低1年間の保証期間を設けています。この期間内に何かしらのトラブルを発生した場合は、販売か、もしくは直接メーカーに保証を求めることができます。
しかし、パソコンの故障率は一般的に「バスタブ曲線」と言われています。使い始めは故障率が高く、やがて徐々に安定し、長く使用していると再び故障率が高くなるという現象です。
これはパソコンの値段に比例しません。
たとえ20万円もする高級なパソコンでも、壊れるときはすぐに壊れるのです。ただし、パソコンの不具合はハード的な原因とソフト的な原因に分けられます。ハード的な原因は経年の劣化による場合が多く、ソフト的な原因はアップデートや競合による場合が多いのが特徴的です。
ハード的な原因の場合は、専門店での修理が必要ですが、ソフト的な場合は自分で対処したほうが安上りになります。もちろん、定期的にメンテナンスすれば長持ちしますが、普通の使い方だと、だいたい3~4年ほどだと思って購入しましょう。
中古品は避けたほうが無難
パソコンの知識に自信がないのであれば、中古品は避けたほうが無難でしょう。
大抵の場合、中古品の保証期間は3ヶ月程度の短い期間に設定されています。これは中古品の性質上しかたがないのですが、保証期間を過ぎてから起きた不具合に関しては自分で何とかするしかありません。そして問題なのは、中古品のパソコンの場合、前の使用者がどのように使っていたか分かりません。
ものすごくハードな使い方をしていた場合、購入した直後にパソコンが故障してしまうケースもあります。自分でメンテナンスできるようなレベルであれば問題ありませんが、あまり知識の無い人は、中古品は見合わせたほうが良いと思います。
用途にあったパソコンを選ぶべし
「とりあえず高いパソコンを買っておけば問題なし」と考えているのであれば、それは大きな間違いです。
もちろん、高性能なパソコンでやりたい事ができるでしょうが、俗にいうオーバースペックというものです。大切なのは、パソコンを何をやりたいかを明確にしておくことです。
- インターネットがしたい。
- 仕事上で使う、ワードやエクセルが必要。
- その他、ネットで買い物がしたい。
上記のような感じなら、それこそ20万円もする高価なパソコンではなく、6~7万円程度のもので十分です。
逆に、IllustratorやPhotoshop、AfterEffect、Premir Proなどを利用した写真編集や、動画編集などを行う場合は、それなりの性能のパソコンを選ぶ必要があります。
ちょとしたコツまとめ
さて、これまでのコツをまとめると以下のようになります。
- 家電量販店での購入はあまりお勧めしない。
- 知らない会社・怪しい会社からパソコンをなるべく避ける。
- 安すぎるパソコンやタブレットにはご注意を。
- パソコンは消耗品である。
- 中古品は避けたほうが無難。
- 用途にあったパソコンを選ぶべし。
上記の6つの項目を出来る限り守れば、それなりの良いパソコンを購入できるはずです。
何を基準にして選んでよいかわからない場合は、参考にしてみてください。
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