不意のパソコントラブルは誰しも焦るものです。
ある程度知識があれば、解決の目途は立つでしょうが、そうでなければなかなか難しいものです。
また、不具合を修理するためのパソコン修理にかかる費用が本当に妥当なものなのか、ある程度判断できるようにしておく必要があります。
何事もそうですが、知識がなければ、何も判断できず相手の言われるがままになってしまいます。
大人のかたなら、誰しもが経験あることだと思います。
知識が「ある」・「なし」では、まさしく天と地ほどの開きがあるのです。
この記事ではトラブルを判断する際の重要なポイントを書いていきたいと思います。
パソコントラブルは突然やってくる
パソコンにはトラブルが付きものです。
中古パソコンなら、尚更でしょう。
それは、買ったばかりの新品のパソコンであっても同様です。
パソコンのことをあまり知らない人からしてみれば、「買ったばかりのパソコンがすぐに不具合を起こすなんて、とんだ不良品だ!」と思うかも知れません。
ですが、新品であってもパソコンは不具合が起こる場合は多々あるのです。
そのために、メーカーでは「保証制度」を設けており「購入後1年間はサポートしますよ」といった制度があります。
また、それとは別に、パソコンを販売している家電量販店なども同様に、「購入後〇〇年間は別料金でサポートします」とった保証がついていることが多いです。
ですが、当然メーカー対応にもなると、修理期間が長くなります。
プライベートではともかく、仕事でも使っているのであれば、これは困りますね。
ポイント1 – 切り分けを知る
パソコンが不具合を起こす場合、下記の2つのケースに分類されます。
- ハード(機械)の問題
- ソフト(システム)の問題
この2つの問題を切り分けることによって、メーカーや販売店に依頼するかどうか決めます。
ハード(機械)の問題とは
ハード(機械)の問題とは、「パソコンの中身のパーツ(部品)」と言い換えることができます。
パソコンには実に色々な部品が使用されています。
その部品同士が密接に連携することで、パソコンは動いています。
例えば、ハード的な問題の依頼で一番多いのが「HDDの損傷(認識しない)」、次に多いのが「ディスプレイ画面の損傷」、その次は「周辺機器が認識しない」となります。
どのような場合に、ハード的な問題と考えるか
- 電源ボタンを押しても、通電しない。
- 内部・外部のハードディスクが認識しない。
- 電源は入るが、ディスプレイが映らない。
- パソコンから異臭がする、または、煙が出ている。
- マウスやキーボードが反応しない。認識しない。
- ディスプレイ画面に線(横線、縦線、縞模様)が入る。
- ディスプレイ画面の色が反転している、色が明らかにくすんでいる。
※あくまでも可能性が高いものです。場合によってはシステム的な原因もあります。
今までパソコン修理を300件以上対応してきましたが、上記のようなケースの場合、高い確率でハード的な問題である可能性があります。
もちろん原因はシステム的なものもあるため、一概には言えません。
また、長年動かしてなかったパソコンをいきなり動かして、部品が損傷したケースもあります。
このようなハード的な問題は、もはや技術と知識がない人はどうしようもないので、保証期間内であればメーカーに連絡するか、近くのパソコン修理屋さんに相談してみてください。
ソフトの問題とは
ソフトの問題とは、「起動プログラムやアプリケーションなど」のシステム的な問題です。
パソコンが正常に起動されるまでには、様々な項目を自己チェックし、必要なシステムファイルを読み込む必要があります。これはアプリケーションも同様であり、プログラムによって制御されています。
また、アプリケーション同士はお互いに干渉しており、それが原因でシステム的なトラブルになることもしばしばあります。
どのような場合に、ソフト(システム)的な問題と考えるか
- パソコンを起動したら、黒い画面で英語が表示された。
- パソコンを起動したら、青い画面で何か表示された。
- パソコンの動きがおかしい。
- パソコンの起動がやたら遅い、反応も鈍い。
- 特定の操作や、場面で画面がフリーズする。
- インストールしたアプリケーションが起動しない。
- インターネットに繋がらない。
- インターネットの一部のサイトが表示されない。
- インターネットの動画が再生できない、見れない。
- メールの送受信ができない。
- 音が出ない。
- 一部のアプリケーションが利用できない。
- 画面にやたらと広告が表示される。
※あくまでも可能性が高いものです。場合によってはハード的な原因もあります。
上記のようなケースの場合、ソフト(システム)的な問題の可能性が高いと考えます。
これらのシステム的な問題は問題のレベルにもよりますが、ほとんどの場合、知識さえあれば自分で解決することも可能です。
トラブルの原因は多様であり、原因が1つの場合もあれば、複合的な要因の場合もあります。
複合的な問題の場合、原因を特定するのはやや難しくなります。
解決する手段としては、インターネット等を利用して他の人が同様のトラブルになっていないかを調べてみてください。
大抵の場合、同じようなトラブルに遭遇し、解決のためのヒントを提供してくれている人がいるはずです。
ポイント2 – 仕組みを知る
何が原因でトラブルが発生しているか特定するのは、なかなか難しいものです。
ですが、パソコンの基本的な動きを知っておくことも、トラブルを判断する重要なポイントとなります。
パソコンの電源ボタンを押してから、内部ではどのような動きをして、Windowsが起動するのでしょうか。
多くの人は、パソコンの電源を押せばパソコンが起動し、画面が自動的に表示されることを知っています。
ですが、内部の動きはどうでしょうか?
どのようなコード(命令)を実行し、どのファイルをどのような順番で読み込むことで、パソコンが起動するのか知っている人はそんなに多くないと思います。
これはテレビでも同様のことが言えます。
リモコンでテレビをつけて、チャンネルを変える。我が家の88歳のおばあちゃんでも、リモコンを扱えます。でも、リモコン内部でどのような処理がされているか知っている人は多くはないでしょう。
少し難しい言い方をすると、これは「カプセル化」されているためです。
内部の詳しい処理(振る舞い)を知らなくても、誰でも対応するボタンを押すことで、簡単に操作することができるということです。
内部の処理をある程度理解しておくことで、問題解決のためのヒントが大きく向上します。
例えば以下のような知識は役に立つでしょう。
パソコンの起動の仕組み
- 電源を入れる
- マザーボードに信号が伝わり、CPU・メモリなど各部品が起動(同時に初期化)
- 異常がなければ、BIOSが起動される
- POST (Power On Self Test / 自己検査)でチップセットなど各種パーツの異常を検査する
- メーカーロゴが表示される
- 異常がなければ、CPUがROM(読み出し専用のメモリ領域)にアクセスする
- ブート・ローダー(MBR)を読み込む。
- - Boot Strap Loaderのロード
- - PT(パーティションテーブル)へのアクセス
- - Boot Signatureの正当性
- ブートローダーが正常にロードされれば、OSが起動される
- 周辺機器のドライバ読み込み
- ログオン画面の起動
- - パスワード入力
- 常駐プログラムの起動
細かい点をあげれば、さらに項目は細分化されますが、だいたい上記のような流れで起動が実行されます。
この知識をもってて何が判断できるかというと、パソコンに不具合が発生した際のトラブルの切り分けに利用できます。
パソコンがピクリとも反応しない(電源ランプがつかない)場合
仕組みの1番でトラブルが起こっていることになります。
そもそもこのような場合、マザーボードにすら通電していないということになります。
以下のような原因が考えられます。
- 壁などのコンセントの異常
- 電源ケーブルの異常
- 電源ユニットの異常
このような場合には、上記の点をチェックすることで原因が発見できる可能性が高まります。
通電してる(電源ランプはついている)が、パソコン側でビープ音が鳴る場合
以下のような原因が考えられます。
- マザーボードの異常
- マザーボード上のCPU、メモリなどのパーツ異常
このような場合には、マザーボード及びマザーボード上のパーツを一つ一つチェックする必要があります。
電源投入後、メーカーロゴは表示されるが、起動はしない場合
以下のような原因が考えられます。
- ブートローダー(MBR)の異常
- OS(システムファイル)が格納されている、ストレージ自体の物理的な異常
- ストレージ内のパーティション破損などの論理的な異常
このような場合には、起動ファイルに何らかの異常が起きている可能性があります。
その場合には、システム修復を行うか、クリーンインストールを行います。
上記にざっと書きましたが、専門用語に慣れていない初心者のかたは理解しようとするだけでも困難かもしれません。
ですが、ある程度の仕組みを知っておくことでトラブルの解決率のためのヒントが大きく向上することもまた事実なのです。
値段を知る
パソコンの構成と部品の相場(値段)を知っておくことも、重要な判断材料となります。
パソコンを修理に出したことのある人ならば、経験があるかもしれませんが、パソコンの修理は場所や店舗によって値段がバラバラです。
物理的な問題の場合、大抵、「実費+作業手数料」という仕組みになっています。
システム的な問題の場合は「作業手数料のみ」のこともあるでしょう。
また、検査(チェック)によっては、無料で請け負うところもあれば、有料(価格に転嫁して含まれている場合)もあります。
これは店舗によって異なるので、何とも言えませんが、それぞれの部品の相場(安値)をある程度知っておくことで、修理トラブルを未然に防ぐことができます。
パソコンの構成と値段
CPU
CPUの種類 | 価格(最安値) |
Core i7 | 35,000円~ |
Core i5 | 22,000円~ |
Core i3 | 10,000円~ |
Celeron / Atom | 5,000円~ |
- ※Amazon調べ。
- ※枝番によって価格が上下します。
- ※2017年2月現在のおおよその価格です。
メモリ
メモリの種類 | 価格(最安値 / 4G) |
デスクトップ用メモリ | 3,000円~ |
ノートパソコン用メモリ | 3,000円~ |
- ※Amazon調べ
- ※メモリの容量 4G / 8Gなどによって値段が変動します。
- ※2017年2月現在のおおよその価格です。
マザーボード
マザーボード | 価格(最安値) |
ASRock、MSI、ASUSTeKなど | 5,000円~ |
- ※Amazon調べ
- ※Intel、AMDともに含めたものです。
- ※2017年2月現在のおおよその価格です。
HDD
容量 | 価格(最安値) |
500G | 4,000円~ |
1T | 6,000円~ |
2T | 7,000円~ |
- ※Amazon調べ
- ※メーカー・性能により値段が変動します。
- ※2017年2月現在のおおよその価格です。
SSD
容量 | 価格(最安値) |
120G | 6,000円~ |
256G | 10,000円~ |
512G | 16,000円~ |
1T | 35,000円~ |
- ※Amazon調べ
- ※メーカー・性能により値段が変動します。
- ※2017年2月現在のおおよその価格です。
上記のパーツの金額は、おおよその価格になります。
パソコンの修理などを依頼する場合は、「何のパーツを取り寄せるのか」「そのパーツの相場はいくらなのか」「作業手数料はいくらなのか」をキチンと確認しておくことが重要です。
データのコピーの方法や、HDD・SSDの換装、メモリの増設や交換などの作業方法は、インターネットを調べればいくらでも出てきます。
それによって、自分でパーツを購入して作業したほうが明らかに安く済むのであれば、検討する必要があります。
まとめ
- ポイント1 切り分けを知る
- ポイント2 仕組みを知る
- ポイント3 値段を知る
今回、トラブル時の考え方をご紹介しました。
やはり自分で労力をかけて解決するよりも、お金を支払って業者に依頼したほうが楽だと思います。ですが、パソコンを使う限り大なり小なりのトラブルは何度でも起こります。
将来的にパソコン修理は、それが積り積もって馬鹿にならない出費になったりします。
出来る限り自分で解決方法を見出すことによって、その修理費用を浮かせることができるのです。
千里の道も一歩から。
何事も挑戦だと思って、パソコンのことを少し勉強してみてはいかがでしょうか?
取り急ぎ、今日はここまで。
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