今米国の映画界に北朝鮮を揶揄した映画で大きな波紋が広がっている。米ソニーピクチャーズがとった行動が米政府や政治家、評論家まで巻き込んで賛否両論が聞こえてきました。「たかが映画でしょ?」と思ってしまう今回の大騒動。
北朝鮮とソニーピクチャーズに何があったのでしょうか。
映画 THE INTERVIEW(インタビュー)とは
トーク番組司会者を務める二人の記者は、タブロイド版テレビ番組「スカイラーク・トゥナイト」を放送する。北朝鮮の独裁者である「金正恩」がその番組の大ファンだった。そのことを知った彼らは、出世欲に目がくらみ「金正恩」にインタービューを敢行、北朝鮮にわたることに。
ところが、二人が旅の準備をしているとCIAがあらわれ、ある目的のために協力するよう告げられる。「金正恩」を暗殺せよ!と・・・。果たして二人の結末はいかに?!というような内容のアメリカコメディ映画である。
予告編を見ただけだったが、北朝鮮の雰囲気や「金正恩」のそっくりさんはなかなか似ているようだ。
下記は北朝鮮の風景のようだが、なかなかそれらしい雰囲気ではないだろうか?おそらくCGだと思われる。実際の風景を取るのは無理だろうしね。
映画はコメディが主体だが、それだけじゃないゾ!笑いあり、涙あり、アクションありのはちゃめちゃ映画のようだ。ちなみに、このTHE INTERVIEW(ザ・インタビュー)の映画は、50億円を超える予算が使われたと言われている。
北朝鮮のサイバー攻撃?!
米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)がハッカー攻撃やテロ予告を受けて、北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺を謀(はか)るコメディー映画の公開を中止したことは、全米で波紋を広げている。
関与が指摘される北朝鮮を非難する声があがる一方、「テロに屈した」「映画の題材が不適切」といったSPEへの批判も目立っている。「米国は最初のサイバー戦争に負けた」「勝ったのはテロリストで、ほぼ間違いなく北朝鮮の独裁体制だ。これは戦争だ」。
ギングリッチ元下院議長はツイッターでつぶやいた。米下院のロイス外交委員長は米CNNテレビに出演。北朝鮮が攻撃を仕掛けたことは「明白」と言明し、「独裁者に屈服すれば、別の独裁者やテロリストに屈することになる」とした上で、SPEに「過ちを犯すな」と訴えた。
産経ニュース
個人情報・映画情報などが大量流出!
サイバー攻撃を受け、ソニーピクチャーズでは、未公開の映画情報や俳優・女優・従業員の個人情報が大量に流出!なんと、社員の社会保障番号、医療記録、給与、住所などの重要な記録がダダ漏れ状態・・・。
さらなる騒動が広がっている。
情報によれば、元社員がソニーピクチャーズを相手に集団提訴したようだ。同社がそのシステムを適切に保護せず、彼らの個人情報を世にさらしたから、という理由らしい。すでにハッカーとみられる脅迫メールが社員や家族にまで届くという事件まで発生している。
ソニーピクチャーズの社員たちは情報を守れなかったことに対して同社を強く非難しています。FBIや米政府、北朝鮮を巻き込んだ今回の騒動はどのような決着をみせるのだろうか?アメリカ政府は「報復せよ!」と声を上げているが、果たして・・・。
いまは平和なのか
平和の定義にもよりますが、「今は平和な世の中だな・・・」と感じている日本人は多いのではないでしょうか?でも、ちょっと待ってください。本当に平和ですか?確かに、爆弾は空から落ちてきません、戦車や兵隊も進軍してきません、ですが、今この瞬間も戦争はずっと続いているのです。
それはただ、「形が変わっただけ」にすぎません。国と国との間では、目には見えない水面下での壮絶な綱引き合戦(情報戦)の真っ最中なのです。つまり、私の認識の中では今でも「戦争中」だということです。
だからこそ、中国やアメリカなどは、サイバー部隊の育成に多額のお金を費やしています。特に中国は現在、世界最強のサイバー部隊を1兆円というお金をかけて着々と育成しているのです。それは今回の騒動の渦中である、北朝鮮も同じくサイバー部隊を育成しているでしょう。
図らずしも、今回の騒動で、北朝鮮のサイバー部隊は国際的にその力を見せつけることができただろう・・・。「相手からより有利な情報を盗み、活用する」「相手の電子機器をマヒさせ、経済に打撃を与える」
日本なんて、とっくの昔に標的にさらされています。どこの国とまでは言いませんが、日本の一流企業の情報やテクノロジー、技術はありとあらゆる手段で盗まれているのです。今回の騒動は決して他人ごとでは済まされません。
日本も「重要な情報を国を挙げて守る」決意なくして、防ぐことなどできません。
とはいえ、政治家たちの腰は重いんだろうなぁ・・・。