Photoshopでは炎や氷といったコンポジット(合成)を簡単に作成することができます。例えば、人と炎を合成したり、物を凍らせたり、テキストエフェクトなど、まさに表現は無限大です。
どのようにしたら、人と炎を上手く合成することができるのでしょうか。
今回は「Photoshop 炎と人のコンポジットとテクニック / 簡単チュートリアル」を解説したいと思います。
開発環境
OS | Windows 10 64bit |
---|---|
バージョン | Photoshop CC 2018 |
作成時間 | 約40~50分程度 |
ステップ数 | およそ15ステップ |
テクニックのポイント | スクリーン / 覆い焼きツール / レイヤーマスク |
難易度
今回の難易度はシルバーレベル(中級者以上)です。
ダウンロード素材
今回利用する女性のモデルとサンプルPSDです。下記からダウンロードしてください。
- Photoshop fate sample.psd
- model.jpg
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※販売・再配布・その他サイトへのアプロードはできません。
炎は以下のサイトからダウロードしてください。
- 炎1 / Pexels.com
- 炎2 / Pexels.com
- 炎3 / Pexels.com
※すべてCC0ライセンスの画像です。
最終的な完成図
今回作成する「炎と人のコンポジット(合成)」です。炎の精霊のような感じに仕上げました。何気ないモデルの写真にエフェクト追加するだけで、幻想的な雰囲気に仕上がります。
Photoshop 炎と人のコンポジット・テクニック
このチュートリアルでは、自分に炎を合成するチュートリアルです。今回は女性のモデルを使ってチュートリアルを実践します。チュートリアルの途中から進めたい人は、ダウンロードの「Photoshop fate sample.psd」をお使いください。
【手順1】キャンバスの作成
任意の大きさでキャンバスを作成します。ここでは、「1920 × 1200 px」で作成しています。
【手順2】背景のグラデーションを作成
背景のグラデーションを下記の値で作成します。
- グラデーション カラー:左「#000000」 右「#6c1502」
- スタイル:円形
- 角度:90
- 比率:220%
【手順3】グラデーションレイヤをコピー
「手順2」で作成したグラデーションレイヤーを「Ctrl + J」でコピーし、「スクリーン」に変更します。こうすることで、グラデーション部分が明るくなります。2つのグラデーションレイヤーは「Ctrl + G」でグループフォルダにまとめておきます。
【手順4】モデルを配置し、切り取る
素材「model.jpg」をキャンバスに配置し、「クイック選択ツール」などでざっくりと切り取ります。下記のようにかなり大雑把でも構いません。
※輪郭が多少ガタガタでも目立たなくなります。
【手順5】彩度を下げる
手順4で作成したモデルのレイヤーマスクを「Ctrl」を押しながらクリックし、「Ctrl + J」でモデルのみを別レイヤーにコピーします。コピーしたレイヤーに対して、「Shift + Ctrl + U」で彩度を下げます。
また、下にあるレイヤーは非表示にしておきましょう。
【手順6】階調の反転
さらに「Ctrl + I」で階調の反転を行い、下記のように白黒のモデルを作成します。
【手順7】色相・彩度をクリッピングマスクで適用する
色調補正から「色相・彩度」を下記の値でクリッピングマスクを適用します。この時、色彩の統一にチェックを入れてください。
- 色相:10
- 彩度:90
- 明度:0
【手順8】レベル補正をクリッピングマスクで適用する
色調補正から「レベル補正」を選択し、下記の値でクリッピングマスクを適用します。「RGB」と「レッド」・「グリーン」・「ブルー」をそれぞれ別々に設定するため注意が必要です。
すべての設置値は以下の通りです。
RGB | 左端:20 / 中央:1.50 / 右端:230 |
---|---|
レッド | 左端:0 / 中央:1.20 / 右端:230 |
グリーン | 左端:0 / 中央:1.00 / 右端:230 |
ブルー | 左端:0 / 中央:0.70 / 右端:255 |
RGBの設定
レベル補正「RGB」を設定します。
レッドの設定
今度は「レッド」に切り替え設定していきます。
グリーンの設定
次は「グリーン」に切り替えて設定していきます。
ブルーの設定
最後は「グリーン」に切り替えて設定していきます。
【手順9】グループ化とコピー
女性のレイヤーと「手順7」と「手順8」で追加した色調補正のレイヤーをまとめて「Ctrl + G」でグループ化します。
さらに、グループフォルダを「Ctrl + J」でコピーします。
【手順10】グループの結合
「手順9」で作成したコピーフォルダを「Ctrl + E」で結合させます。
【手順11】髪の毛の部分を隠す
「手順10」で作成したレイヤーにレイヤーマスクを設定します。女性モデルの髪の毛の部分を「なげなわツール」などでフリーハンドで選択し、隠します。この時、頭のクッキリしたラインを多少ぼかすようにすると良い仕上がりになります。
【手順12】覆い焼きカラーで女性モデルを塗る
「覆い焼きカラーツール」を選択し、女性モデルの明るい箇所をさらに明るくしていきます。覆い焼きカラーは「中間調」「露光量:90%」「ソフトブラシ」で設定しましょう。下記の場所を参考に、ゴシゴシと塗り重ねてください。
※あまりやり過ぎると違和感が残るので、適切に。
【手順13】頭に炎を追加する
ダウンロードした炎の画像を取り込み、回転させ、頭の上部に配置します。炎のレイヤーを「スクリーン」に変更することで、炎の部分だけが表示されるようになります。
【13の調整】炎の画像の白い部分が残る場合
画像を追加した時に、下記のように白い部分が薄っすらと見ているような場合は、炎のレイヤーに「レベル補正」を適用させる必要があります。レベル補正の左側を右側に少しスライドさせましょう。
炎の部分が濃くなり、白い薄っすら残っていた部分が目立たなくなります。
【手順14】他の部分に炎を追加する
炎を他の箇所に配置していきます。基本的には「手順13」と同じ操作で追加していきましょう。下記の例では、スモークブラシなどを追加しています。
【手順15】Camera RAWの設定
「Ctrl + Shift + Alt + E」で全体のコピーレイヤーを作成します。レイヤーはスマートオブジェクトに変更しておきましょう。Camera RAWを下記の値で設定します。
【完成】It’s done!
これで全ての作業が完成しました。
完成までの手順
完成までのすべての手順です。
- 【手順1】キャンバスの作成
- 【手順2】背景のグラデーションを作成
- 【手順3】グラデーションレイヤをコピー
- 【手順4】モデルを配置し、切り取る
- 【手順5】彩度を下げる
- 【手順7】色相・彩度をクリッピングマスクで適用する
- 【手順8】レベル補正をクリッピングマスクで適用する
- 【手順9】グループ化とコピー
- 【手順10】グループの結合
- 【手順11】髪の毛の部分を隠す
- 【手順12】覆い焼きカラーで女性モデルを塗る
- 【手順13】頭に炎を追加する
- 【13の調整】炎の画像の白い部分が残る場合
- 【手順14】他の部分に炎を追加する
- 【手順15】Camera RAWの設定
さて、どうだったでしょうか? 一見難しいような作業ですが、少しづつ進めていけば概ね完成のようなカタチになるはずです。炎の配置は、あえて詳しい説明はしませんでした。どのように配置すれば、より見栄えよくできるのかを考えて配置しみてください。
炎の配置によっては印象がガラッと変わるので、注意が必要です。
今回は女性のモデルでしたが、基本的にどんな被写体でも今回の炎のコンポジットで作成することができます。
挑戦してみてはいかがでしょうか。