北朝鮮の開城(ケソン)工業団地が9月16日に操業を開始してから一か月余りになる。入居する韓国企業123社のうち118社が向上を再稼働させた。だが約5ヶ月間の操業中断と南北関係の再冷却で安定生産に対する取引先の信用が低下し、受注量が減少した企業が多い。
入居企業でつくる非常対策委員会によると、機械・電子部品、素材分野の45社は、生産状況がフル稼働の半分にも達していない。「南北が合意した通行、通信などの問題改善に進展がない。工業団地運営の不確実性が依然高く、バイヤーから中断前のような発注がない」と訴え、南北当局の積極的な協議を求める。
韓国統一省によると、北朝鮮の労働者数は中断前の80%の約4万4千人が出勤。ただし、ある業者は、「受注が半分に減り、機械の半分が遊んだ状態。北朝鮮の労働者も仕事が少なく、清掃するか、教育を受けている時間が多い」と悲鳴を上げている。操業中断に対しては補償金が韓国政府から59社に計1761億ウォンが支払われた。操業再開に伴って企業側は返済を迫られたが、期限は今月の15日までには10社しか返済できていない。
引用:中日新聞 国際6面
信用を取り戻すのは容易ではない
開城工業団地といえば、南北の象徴ともいえる場所だ。しかし、一度北朝鮮との関係が悪くなった時に一方的に韓国が締め出され、追い出された経緯がある。
ほどなくして再開したわけだが・・・一度失った信用は簡単には取り戻せない。それはそうだ。開城工業団地に依頼を発注しても、また、閉鎖されるリスクが高い。受注する企業からしてみれば、安定的に商品が届かなれば経営を直撃するのだ。
大切なのは「品質」と「安定供給」だ。記事によると、「品質」のレベルも低く、「安定供給」さえままならないような状況では多くの企業が受注を取りやめるのも納得だ。韓国側もこうしたリスクを承知の上で、北朝鮮と手を組んだはずだ。
多くの資金を拠出しているのは韓国側なので、損失補てんは当然韓国がしたのだろう。現在経済がかなり低迷している韓国だが、この開城工業団地は韓国側にとっては重荷となるだけではないだろうか。
日本ー中国ー韓国ー北朝鮮の関係が大きくグラついている現在の国際情勢の中で果たして各国の動きはどうなっていくのか・・・注視していく必要がある。