2014年に続き、2015年も世間をにぎわしている食品の異物混入事件。マクドナルドや和光堂、まるか食品などの商品に異物が混入しており、ネットが炎上している。日本と言えば食の安全を徹底していることで知られている。
それは海外でも同じ認識だろう。
しかし、メディア(Twitter等)を中心に相次ぐ「マクドナルドショック」の余波が広がっている。今、マクドナルドにいったい何が起こっているのか?
今回は「マクドナルドショック」について記事を書きたいと思う。
マクドナルドで相次ぐ異物混入
立て続けに起きているマクドナルドによる異物混入事件。昨年の半ばから今年にかけて頻繁に起きていることがわかる。しかし、これは氷山の一角といわれており、表に出てこない事件はいくらでもあるだろう。
時期 | 混入物 | 店舗 |
---|---|---|
2014年8月 | フライドポテトに人の歯 | 大阪 |
2014年9月27日 | ホットケーキから金属片 | 京都 |
2014年11月頃 | マフィンにプラスチック | 沖縄 |
2014年12月17日 | ハンバーガーに発砲スチロール | 沖縄 |
2014年12月19日 | デザートにプラスチック | 福島 |
2014年12月31日 | チキンナゲットにビニール片 | 東京 |
2015年01月03日 | チキンナゲットに青いビニール | 青森 |
マクドナルドの対応
マクドナルドは相次ぐ異物混入について2015年1月7日に記者会見を開き謝罪した。この時の記者会見では取締役の2人が行った。中国のナゲット工場で腐肉を使っていた件で謝罪したサラ・カサノバ社長の姿はなかった。
以下がその要旨の一部である。
多くのお客さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけ致しました。
そのことに対して深くお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。
現在、分析センターで分析にかけている。どういう経緯で、混入する可能性があるか調査する。
どういう経緯で、混入する可能性があるか調査する。
原因につながるような事象は一切発見されず、特定することは出来ない状態でお客さんに報告しました。
[福島県のマクドナルドでデザートの中にプラスチック片が混入していた件について]
サンデーを召し上がられたお子様が、口の中にプラスチックが入ったと。
それで口の中をケガをされた。
調べた結果、アイスクリームが出る機械の一部でそこのプラスチックの破損が発見された。
その破損によって今回混入してしまった。
[大阪のポテトフライに歯が混入していた件について]
正直言って消去法でつぶしてはいったが、残念ながらどこで混入したのかは明確には判明できていない。
[チキンナゲットの中に青いビニール片が混入していた件について]
工場での混入の可能性は低いのではないかと我々は判断いたしました。
じゃあどこからこれが混入したのか、そのほかの店舗での混入の可能性を現在確認をしております。
[公表しなかった件について]
案件の重要性、リスクの度合い、広がりの範囲、そういったものを総合的に判断した。
それに従って対応させていただいています。
私どもとしてはそういう中で正しい判断をさせていただいている。
一つ一つの案件に対応し、全体としての改善を進めていく。
謝罪会見の概要
- 事故件数は答えられない。増えたか減ったかも言えません。
- 従業員や品質管理は完璧であり、事故でも正しい対応に終始した。
- 問題ロットの残数は調べていない。
- 個別の案件については公表はしない。規定に従って対応している。
- 第三者機関で調査を行っている。
- 公表は基本的に「重大な品質問題」のみ公表している。
- 青いビニール片は風で飛ばされて無くしてしまった。
- 役員の処分は今のところ考えていない。
- マクドナルドの品質には自信がある。家族も安心して食べている。
今回マクドナルドは取締役2名で記者会見を行ったわけだが、正直、消費者の印象は悪くなっただろう。トップである社長が姿を見せなかったことから、「社長が出てくるほどの問題ではない」という印象を残してしまった。
謝罪会見はそつない対応だった。
しかし、「品質管理には自信がある」と言い切るその姿勢に疑問を持った人も大勢いたのではないだろうか?
消費者の反応
- メディアの過熱ぶりに違和感を覚える
- 社長が謝罪会見に出ていないのはおかしい
- 謝罪会見を見たが、自己弁護しているようにしかみえない
- 個別に対応しているのなら「隠蔽」と評するのは不適切では?
- もう終わったね
- 他に何が入っているのか分からないよね
- 今後はもう行かないだろうね
- 昔からのことだろ。今更何を・・・
- メディアがここぞとばかりに叩いているなw
- すこし大騒ぎしすぎじゃないの?
- マクドナルドだけじゃないしね・・・
- これ事故なの?それとも事件なの?
- そもそもケガ人が出てるのに公表してないのはアウトだろ
上記は主にTwitterの反応だが、マクドナルドに対するメディアの反応に疑問を呈する内容も多く見られた。マクドナルドが謝罪会見を開いたのも、メディアでの影響を無視できないと判断したからだろう。また、マクドナルドは今度こそ終わったとする意見も多かった。
企業自体は潰れることは無いにせよ、今回のマクドナルドショックは相当に大きい。
マクドナルドショックの余波
日本マクドナルドのチキンナゲットへのビニール片混入など相次ぐ食品への異物混入問題を受け、各社も対応を始めた。外食、メーカー、小売りなど食品を取り扱う各社が、混入事実の情報開示や自主回収の基準引き下げを検討している。
これまで自社で基準を設け対応してきたが、一連の問題ではインターネットなどで消費者が公表する場合が多い。会社基準を理由にした非開示が「不都合な情報を隠している」と受けとられる懸念が強まっているからだ。ただ、どこまで基準を引き下げるべきかの明確な指針はなく、各社は試行錯誤を迫られている。
食品メーカーなどでは、異物混入が発生し、お客さま相談室などに通告が入ると、品質管理部門や経営幹部に事態を報告する。情報を開示するかは、「混入の原因が会社側にある」「健康被害が広がる懸念がある」ケースなど、細かく基準を決めている。
事実、日本マクドナルドの7日の記者会見で4件の異物混入が説明されたが、同社の基準では開示する事案ではなかったという。だが、報道によって問題が大きくなる中で、同社としても開示を余儀なくされた。
産経ニュース
今後、相次ぐ異物混入事件でマクドナルドの株価は低迷し、消費者離れは加速していくだろう。今もっとも苦境に立たされているマクドナルドだが、果たして消費者の目にはどのように映るのだろうか?「しばらくは敬遠する」「とりあえず様子をみる」「二度と行かない」と反応は様々だろう。今回の騒動は、「事故」なのかそれとも「事件」なのか・・・。
真相解明にはまだまだ多くの時間が掛かりそうだ。