以前のホームページビルダー18の記事でレンタルサーバーをご紹介しました。現在では「1年間無料!」「7日分バックアップ」などの各社様々なサービスが提供されています。今回は、「どこのレンタルサーバーが評判なのか?」「月額料金」「サービス」等に重点をおいてご紹介いたします。
無料サーバーか有料サーバーか?
- 広告が強制的に表示される(内容は選べない)
- ある日突然サーバーが停止(保障なし)
- セキュリティが低い
- 容量が極端に小さい
- 独自ドメインが使えない
- WordPressが使えないところが多い
レンタルサーバーをどこにしようか迷っている人の中には「無料でレンタルサーバーを借りたい」という人もいるでしょう。でもちょっと待ってください。そもそもなぜレンタルサーバーを無料で他人に提供しているのか疑問に思いませんか?
サーバーということは「24時間」「365日」稼働させるということです。当然、サーバーには電気代がかかりますよね?しかも、休みなく稼働させるわけですから、1年間の電気代はものすごいことになります。「自分が借金(赤字)になってでも、無料でサーバーを提供したい」なんて、果たしてそんな人が世の中にいるでしょうか?
結論からいいますと、そんな人はいません。
では、どうして無料サーバーが存在しているのでしょうか?実は大抵の無料サーバーは広告収入で利益を得ています。無料でサーバーを提供するかわりに、レンタルする人のHPに広告を強制的に載せるわけです。広告の内容は選べません。時には「卑猥(ひわい)な広告」だったり、「HPの方向性と全く違った広告」だったりします。
また、無料サーバーでは当然「保証」がありません。
「保証」とは継続して使用できることへの保証です。無料故に、ある日突然サーバーが停止します。それまで一生懸命にHPを更新して、コンテンツを充実させ、ユーザーを地道に増やしてきたとしても、ある日何の前触れもなくサーバーを閉めてしまいます。つまりは、それまで多くの時間をかけて行ってきたことが「全て無駄」になるわけです。
セキュリティについて
セキュリティも望めません。サーバーにはセキュリティの専門知識をもった管理者が当然、複数人必要です。しかし、無料サーバーなので当然そんな人権費はかけられません。お金がバカにならないからです。
なので、無料レンタルサーバーのセキュリティはかなり低いと言えます。ある程度の情報セキュリティを知識がある人ならば、サーバーのセキュリティがいかに大切かよく分かるハズです。セキュリティが無いと言うことは、いわば、「24時間、365日、常に玄関が開けっ放しの家」と変わらないということです。
想像できますか?
家の中に常に誰でも自由に出入りできる状況だということです。
無料レンタルサーバーの容量
無料レンタルサーバーは「容量が極端に小さい」です。これは当然ですよね。サーバーの容量は無限ではなく有限です。無料サーバーなのに、「100~200G(ギガ)もレンタルできます!」なんてありえません。大抵は、多くても「1~2G(ギガ)」程度です。
つまり、無料レンタルサーバーは有料のレンタルサーバーに比べて、容量が「100分の1以下」であることは珍しくありません。
独自ドメインが使用できない
ホームページを始めるにあたり、独自ドメインを取得したいという人もいるでしょう。独自ドメインとは、「https://pasonal.com」というような、「○○○.com」「○○○.jp」などのようなアドレスのことです。
無料レンタルサーバーでは独自ドメインは、まず使用できません。
無料サーバーを提供しているところには、大きな会社やある程度の信頼がおけるところも確かに存在します。が…、様々な制約が多いのもまた事実なのです。個人的な趣味でHPを運営するならともかく、「店舗」「企業」「アフリエイト」等のHPを公開する場合には、必ず有料のレンタルサーバーをレンタルしましょう。
それでも無料レンタルサーバーを選ぶ??
結論から言うと、無料レンタルサーバーは全くオススメできません。よくインターネットで「無料レンタルサーバーを選ぶならココ!オススメ!」とかありますが….私は全く信用していません。上記をざっと読んだ人はその理由がわかりますよね?
サーバーは必ず有料のレンタルサーバーを選びましょう。「安物買いの銭失い」にならないためにもそうすべきです。
4つのサーバーを選定
現在では実に色々な種類のレンタルサーバーがあります。国内だけではく、海外も含めると数えきれないぐらいです。また、サービスも豊富なため、どれを選んでいいのかよく分からないという人も多いと思います。
そこで今回は、選んで損をしないレンタルサーバーを4つご紹介します。
サーバー名 | 特徴 |
---|---|
さくらレンタルサーバー | 月額料金・容量ともにバランスがとれている。各種サポート(脆弱性対策・バックアップ)は標準装備(無料)。 |
ロリポップレンタルサーバー | 月額料金が一番安いが容量が少ない。各種サポートは有料オプション。 |
ヘテムルサーバー | 大容量・高機能サーバーが特徴。各種サポートは一部標準装備(無料)だが、有料オプションもある。 |
Xサーバー | WordPressに特化した大容量・高機能サーバーが特徴。各種サポートは標準装備(無料)。バックアップサポートに優れる。 |
さくらレンタルサーバー
さくらレンタルサーバーを見てみましょう。さくらレンタルサーバーは「容量」「月額」共にバランスが取れたレンタルサーバーです。
プラン | 月額 | 容量 | 初期費用 | |
---|---|---|---|---|
ライト | 129円 | 10GB | 1,029円 | さくらのレンタルサーバ ライト |
スタンダード | 515円 | 100GB | 1,029円 | さくらのレンタルサーバ スタンダード |
プレミアム | 1,543円 | 200GB | 1,029円 | さくらのレンタルサーバ プレミアム |
- 「ライトプラン」が一番安いですが、容量が10GBしかありません。
- 「スタンダードプラン」は容量・月額ともにバランスがとれており、最適なプランと言えます。
- 「プレミアムプラン」は200Gと大容量ですが、月額が1,500円以上もするので、ここら辺がネックになりそうです。
- ※初心者ならば、ライトプランから始めるのもいいですが、スタンダードプランがお得です。
- ※詳細事項は公式ページ「http://www.sakura.ne.jp/」をご確認ください。
さくらレンタルサーバーの特徴
ライトプラン
さくらのレンタルサーバ ライトが格安の129円でレンタルできます。しかし、容量が極端に低いため、頻繁に更新する人はすぐに容量不足になってしまいます。記事を更新しないタイプのサイト運営、例えば、SOHOなどの個人事業主の企業サイト等なら問題ないと思います。
最近ではブログタイプの企業ページも多くなってきたので、そういうタイプのサイトには不向きかもしれません。
スタンダードプラン
さくらのレンタルサーバ スタンダードはライトプランと比べると容量が10倍の100GBが使えます。月額料金はわずか515円なので、余裕をもって利用したい方はこちらのプランのほうがいいでしょう。ブログタイプの企業ページでも余裕をもって使うことができます。
プレミアムプラン
一番最上位のさくらのレンタルサーバ プレミアムになります。
容量が200Gと大容量であり、月額が1500円ですが、他のレンタルサーバー(Xサーバーなど)と比べると、やや月額が高いような気がします。Xサーバーの容量200Gのプランでは、1000円/月額で利用できるからです。こちらのプレミアムプランを契約するなら、Xサーバーのプランの方がお得でしょう。
さくらレンタルサーバーのサポート
さくらのサポート体制はどうなっているのでしょうか?プランによって違いますが、上記のサポート内容は「スタンダードプラン」以上に適用されるものです。ウィルスチェックやCGI等の脆弱性に対してサポートしています。
しかも、どのサポートも標準で装備されている(無料)ということです。重要なのは無料のデータバックアップサポートです。WordPressやホームページ等ではいつデータに不具合が起きるか誰にもわかりません。
不正侵入・改ざん・あるいは自分のミスなど、人的要因で不具合が起きる可能性もあります。また、洪水・台風・火災等の天災で、パソコンが破壊され手元にあるデータが消失する可能もあります。そんな時、すぐに復旧するためにはバックアップデータが必要になります。
さくらレンタルサーバーではデータバックアップの周期は1日ごとになっています。つまり、前日までのデータは保管されているため、サポートセンターに連絡すれば簡単に復旧できるのも強みですね。
無料でバックアップしてくれるのも良いシステムです。
2年使用した感想
さくらサーバーのスタンダードプランを2年間使用しました。管理画面がやや分かりづらいものの、概ね満足できるレベルでした。WordPressの導入から公開までスムーズにできましたし、特に迷うようなこともありませんでした。
しかし、たまにサーバートラブルに遭遇したことも事実です。サーバーエラーで突然ページが閲覧不能になったりしました。(サーバーが原因ではないかもしれませんが・・・)サポートに連絡してもなかなか繋がらなく、繋がったと思ったら長いこと待たされることもしばしばありました。
それにしてもサポートに連絡すると大抵の場合、電話で音声案内されるのですが、なかなか慣れません・・・。もっと素早くサポートセンターに繋がってほしいものです。とはいえ、満足レベルとしては『70点』といったところでしょうか。
もちろん、WordPress側(phpやhtaccessなど)が原因だったかもしれませんが、月額500円でサーバーがレンタルできるならば、かなりお得感はあると思います。
ロリポップレンタルサーバー
ロリポップレンタルサーバーを見てみましょう。ロリポップレンタルサーバーは「容量」は少ないが「月額料金」がとにかく安いレンタルサーバーです。
プラン | 月額 | 容量 | 初期費用 | |
---|---|---|---|---|
コロリポ | 100円 | 10GB | 1,500円 | コロリポプラン 詳細はこちら |
ロリポ | 250円 | 50GB | 1,500円 | ロリポプラン 詳細はこちら |
チカッパ | 500円 | 120GB | 1,500円 | チカッパプラン 詳細はこちら |
- 「コロリポプラン」は、月額100円とかなり安いが、容量が10Gしかない。趣味で遊び半分に運用する分にはいいかも…。
- 「ロリポプラン」は、月額250円で容量50Gと使いやすいプランだが….。容量が少ないのがネックかも。
- 「チカッパプラン」は、月額500円で容量120Gとバランスが取れているプラン。「アフリエイト」等を考えているならこのプランが最適。
- ※初心者ならば、ライトプランから始めるのもいいですが、スタンダードプランをオススメします。
- ※詳細事項は公式ページ「★LOLIPOP★」をご確認ください。
7/29(火)までですが、チカッパプランを申し込むと1年間、無料でサーバーがレンタルできます!正直1年間無料はお得すぎます!期間も残り少ないので、検討されている方はお早めに!
ロリポップの特徴
とにかく他社レンタルサーバーと比べて格安なのが魅力です。特にコロリポプランは容量が10Gながら、月額100円でレンタルできるのが大きな魅力なのではないでしょうか。さくらレンタルサーバーと比べても、こちらのプランのほうがお得でしょう。
また、どのプランも他社と比べて容量が少なめであり、月額費用はさくらレンタルサーバーと比べてやや割高です。
サイトを頻繁に更新しない人なら『コロリポプラン』、『ロリポプラン』を、ブログ形式のサイトなど頻繁に更新したい人は『チカッパプラン』を選択しましょう。
ロリポップレンタルサーバーのサポート
さて、ロリポップのサポート体制はどうなっているのでしょうか?ロリポップも「データバックアップ」「独自SSL」「ウイルス対策(パソコン用)」などのサポートがありますが…。さくらレンタルサーバーと違い、全て有料サポートです。しかも、月額料金です。
ロリポップのレンタルサーバーは月額料金が安いのが魅力ですが、データバックアップサービスも合わせて申し込むと結構高くなります。例えば、ロリポップの「ロリポプラン(月額250円)」+「データバックアップサービス(月額300円)」だと、さくらレンタルサーバーの「スタンダードプラン(月額515円、データバックアップ標準装備)」より高くなるということです。
ここら辺はきちんと比較検討することが必要ですね。また、さくらレンタルサーバーで対応していた「WAF(CGI等の脆弱性サポート)」がロリポップレンタルサーバーでは対応していないため、注意が必要です。
ヘテムルレンタルサーバー
ロリポップと同じ会社が運営しているレンタルサーバーです。ロリポップと違い、ヘテムルは「大容量(256G)」「高速化」に特化したレンタルサーバーとなっています。ロリポップのように色々なプランはありません。
- ※契約期間により料金が若干異なります。
- ※詳細時候は公式ページ「レンタルサーバーheteml」をご参照ください。
あきらかに「Xサーバー」を意識したヘテムルですが、果たしてどうちらがお得なのか….。(後述で検討)ここでネックになるのが、1年間(12ヶ月)の利用で1,000円ではなく、3年間(36ヶ月)で月額1,000円になるということです。
3年契約となると結構な金額になるので、他社のサービスをよく比較検討したうえで申し込みするほうがいいでしょう。
ヘテムルレンタルサーバーのサポート
さて、ヘテムルのサポート体制はどうなっているのでしょうか?ロリポップと異なり、「WAF(CGI等の脆弱性サポート)」などは標準で装備されています。しかし、バックアップサポートは有料のため注意が必要です。一応、7日間分までのデータをバックアップしてくれます。
こちらも、他社のサポートをと比較検討したほうがいいでしょう。
ヘテムルレンタルサーバー 機能一覧
ヘテムルはネットショップが簡単に導入できる機能が備わっているのが特徴です。また、FaceBookとも連携できるため、アフリエイト等にも有利でしょう。アクセス解析やアクセスログ等も標準で装備されているため、「分析→サイトの反映」の作業がしやすくなっています。
Google アナティリクス等でも分析できますが、専門的な知識が必要になるため、上記のアクセス解析やログ等のほうが使い勝手はいいかもしれません。またSOHOなどの個人事業さん向けに『カラーミーショップ』が搭載されています。使用したことがありませんが、説明では無料となっているので、お得感はありそうです。
Xサーバー
高速・多機能が魅力のエックスサーバーです。
他社と比べやや割高な料金設定ですが、ページの読み込みを高速にするモジュール『mod pagespeed』や『Fast CGI』など拡張機能が無料で使用できることが強みです。これはさくらレンタルサーバーやロリポップ等にはない機能です。
これらのモジュールは主に『ページの読み込み速度を早くさせる』拡張機能であり、その差は他社と比べて一目瞭然でしょう。ブログやアフリエイト等を意識しているならば、Xサーバーが最適といえます。
Xサーバーの料金設定
- ※契約期間により月額料金が若干変わります。
- ※詳細事項は公式ページ「wpXレンタルサーバー」をご確認ください。
エックスサーバーを見てみましょう。Xサーバーの特徴は何と言っても「大容量」「WordPressに特化」「高速化」とかなりハイスペック(高機能)なレンタルサーバーです。
プラン | 月額 | 容量 | 初期費用 |
---|---|---|---|
X10 | 1,000円 | 200GB | 3,000円 |
X20 | 2,000円 | 300GB | 3,000円 |
X30 | 3,000円 | 400GB | 3,000円 |
- 「X10」は月額1,000円で200GBの大容量でレンタルできます。「アフリエイト」等を始めるなら、このプランが最適でしょう。
- 「X20」は月額2,000円で300GBが利用できます。「動画」「画像」等を頻繁に使用する場合はこのプランを検討しましょう。
- 「X30」は月額3,000円で400GBも利用できます。その分月額料金が高いのがネックになりそうです。
プランは「X10」「X20」「X30」がありますが、「X10」が月額料金、容量ともに一番最適でしょう。アフリエイト等ならば「X10」のプランで十分です。Xサーバーの利点は「とにかくページの表示が速い」ことです。ページの速度が速いということはアフリエイトにおいて有利ということです。
管理しているサーバーも「6コア」「24GBメモリ」なので、今までご紹介した「さくら」「ロリポ」「ヘテムル」よりも非常に高機能なサーバーを使用しています。まさしくWordPressに特化したサーバーと言えるでしょう。
Xサーバーの特徴
エックスサーバーは他社レンタルサーバーと比べてとにかく大容量だというのが魅力です。大容量だと、ブログを頻繁に更新しても安心して利用できます。ただし、初期費用・月額料金とも他社よりも割高となっています。この点をどう考慮するかがネックになりそうです。
しかし、X10プランでも容量が200Gもあるので、頻繁にブログを更新しても問題ありません。上記でも記述しましたが、Xサーバーの強みは拡張モジュールにあります。拡張モジュールを上手く利用することで、ページの表示速度が大幅に向上するでしょう。
Xサーバーのサポートは?
さて、エックスサーバーのサポート体制はどうなっているのでしょうか?信頼できるのは「RAID構成がミラーリングとストライピング」になっていること。何のこっちゃ…??とお思いですが、簡単に言えば、「障害に強い」ということです。また、「バックアップサポートが標準装備(無料)」になっているのも心強いですね。
WordPressはDB(データベース)を使用して構築されています。DBは一旦不具合が発生すると、専門知識がないと容易に修正することができません。特に「Webデータ(画像やファイル等)は7日間分」「データベースは14日分」バックアップされているので、安心できます。
結論
お得な料金、充実のサポートで選ぶなら | さくらインターネット |
アフリエイトで高い収益を目指すなら | wpXレンタルサーバー |
とにかく安くレンタルしたいなら | ロリポップ! |
将来を見越して、長くレンタルするなら | ヘテムル |
さて、今まで4社のレンタルサーバーの特徴をご紹介してきました。では、いったいどれが自分に合った最適なレンタルサーバーなのでしょうか?それぞれのレンタルサーバーには一長一短があるため、上記の表を参考にして、レンタルサーバーを検討してみてください。
ちなみに私は「Xサーバー 10Xプラン」で運営しています。トラブルらしいトラブルもなく安定しているためオススメです。