人類は様々な病と闘ってきました。
昔では、感染したら高い確率で死に至るペストやコレラなどの病原菌、感染症などもありましたが、現在では医薬品の発展により、適切な処置を受ければ、それほど恐ろしい病気ではありません。
これらの病原菌は私たちにとってあまり身近な存在ではないため、普段は意識することはほとんどありません。
私たちの身近な病気で最も恐ろしいのが「がん」ではないでしょうか。
現在、日本の死因第1位が「がん」と言われています。
全体では、男性は2人に1人、女性は3人に1人が「がん」で亡くなっています。
昨今、急速に「がん」がクローズアップされていますが、これが検査の精度向上によって増えているのか、それとも、食生活などの生活習慣の変化によるものなのか、あるいはその両方と言われています。
このように、「がん」は私たちにとって身近な病気でもあり、死因率からしても恐ろしい病気だと言えます。
画期的ながん発見方法?!
色々な学者さんたちが「がん」を克服するために、日々研究していると思いますが、昨今、大きくクローズアップされている「画期的な検査方法」が話題を集めています。
それは、驚くことに「線虫」を使った検査方法なのです。
線虫とは
線虫は私たちにとって非常に身近な場所にいます。
それは畑や田んぼなどの土の中にいる、ミミズに似たような線形の虫なのです。
すごく身近にいる生物なのですが、特定の人にとってはやっかいな存在でもあります。
畑仕事や農業に従事している人ならご存知かと思いますが、線虫は農家の人にとっては害虫でしかありません。
なぜなら、線虫は農作物を荒らし、ことごとく枯れさせてしまうからです。
そんな農家の人にとっての嫌われ者である線虫が、人々を救う救世主になるかもしれないのです。
出典:九州大学
さて、そんな線虫ですが、どういうわけか、「がん特有の匂い」に釣られて集まる習性があるようなのです。
これを発見したのが、九州大学大学院生物科学部門の廣津崇亮助教らの研究グループであり、検査方法として画期的とまで言われています。
医療系のデジタルメディアに詳細な記事が載っています。
簡単にまとめると
- 尿一滴で「がん」を発見できる。
- 発見率は脅威の95.8%。
- 非常に安価であり、検査料はわずか数百円(医療機関だと数千円)。
- 検査時間は、わずか1時間半程度。
- 全ての「がん」(肝臓がん、すい臓がんを含む)に対して有効。
- 早期発見が可能。
今現在主流の「がん」発見方法は色々あると思います。
エコー検査や、乳がんなどに用いられるマンモグラフィー検査、血液検査、レントゲン検査、PSA検査と呼ばれるものがあります。
それぞれの検査に一長一短があるのですが、共通しているのは、一つの特定の検査で全ての「がん」は見つけることができないということです。
例えば、膵臓がんは別名、沈黙の臓器と言われているように、体に異変はほとんど現れません。
早期発見が非常に困難な部位であり、気が付いた時にはすでに手遅れのケースが多いと言います。
今回のこの検査方法は、すべての「がん」に対して有効かつ、高精度なため、早期発見できれば、体のどこかにすでに「がん」が発生していることが予測でき、その後の治療にも大いに役立ちます。
「がん」は早期発見できれば、さほど恐ろしい病気ではありません。
私の父が前立腺がんに
今まで「がん」と無縁な生活を送ってきた私であり、テレビを見てもどこか他人事だった「がん」ですが、つい最近、私の父が前立腺がんであることが分かりました。
「まさか私の父が・・・」、正直そんな感じであり、突拍子もなく事実を告げられ、家族は軽いパニックになりました。
いつも元気だった父は弱気になり、「もうだめだ。リンパ節に転移していたら、3年ぐらいしか生きられない・・・」と落ち込み、母親は「どうしよう、どうしよう」とパニックなりました。
何でもなかった我が家の日常は文字通り一変したのです。
精密な検査の結果、グリーソンスコア7(3+4)だったものの、ステージは1でした。まだまだ初期の段階であったため、前立腺の全摘出を行い、無事に退院することができたのは、ついこの間の出来事です。
現在はほっと一息ついた我が家ですが・・・、果たしてある日突然検査で「がん」だと告げられたらのが私だったらと、ふと頭によぎります。
現在過酷な闘病生活を送っている芸能人の小林真央さんのように、前向きに向き合えただろうか・・・と思ってしまいます。
いつなんどき、自分もそうなるか誰にも分かりません。
その点でも、今回の画期的な検査方法はきっと多くの人を救うことになると思います。
「がん」は早期発見さえできれば、現代の医学で十分に処置が可能です。
医療の世界も日進月歩なので、今後、「がん」に効く特効薬も開発されるかもしれません。
今回の発見は、多くの人にとって救いになると思います。
まだまだ、語りたいことは沢山ありますが、今日は取り急ぎここまで。
参考サイト:尿一滴で線虫が早期がんを嗅ぎわける