数年前から世間を騒がしている「スマートドラッグ」が今、流行の兆しを見せています。
今回はこのスマートドラッグについて記事にしたいと思います。
スマートドラッグ とは
スマートドラッグとは脳への神経伝達物質やホルモンなどの神経化学物質の供給を増やしたり、酸素供給量を向上させ、神経の成長を強制的に促進するための薬の総称と言われている。
一応医薬品ではあるが、栄養剤などのサプリメントや健康食品なども含めて呼ばれる場合もあります。
これらの薬の大半は化合物であり、単なる栄養素や植物成分、科学物質と混ぜたものが販売されています。元来これらの薬品は、認知学習障害(ADHD)やアルツハイマー病、パーキンソン病、低酸素症、過眠病などを防ぐ目的で使用されるものです。
しかし、何ら問題のない健常者でも一定の効能があるため、これらが特定の人たちの間で注目されはじめました。現在では一部の学生の間で蔓延しているのが現状です。ただし、効果があるかどうかは研究者によって大きく異なり、薬の効果だけではなく、少なからずプラシーボによる効果も否めない可能性が指摘されています。
また、スマートドラッグは他の薬品と組み合わせることで、相互作用を呼び起こし、服用する人が多いのも特徴です。
アメリカでは「スマートドラッグ」や「ヌートロピル(ヌートロッピク)」として認知されています。
スマートドラッグを簡単にいうと、「人間の機能を強化する薬」と言えます。
>昔からあったこの手の商品
この記事を見ているある一定の年代の人なら、ピンとくることがあるかもしれない。
「頭のよくなるパン」
「頭脳パン」
なんだこのダサいネーミングは・・・と、思った読者が大半でしょう。もしコンビニにこんな商品があったら、迷わず無視します。
とゆーか、買うわけがない。
頭の良くなるパンを食べて、頭がよくなるんだったら、今頃、この世界は頭がいい人だらけ。もちろん、世の中のすべてが効率よくなり、経済停滞なんて夢のまた夢。経済成長率はうなぎ上りで、みんなバンバンお金を稼ぎ、周りはお金持ちだらけ。・・・のハズです。
時は、高度成長期真っ盛りの1970年代。これらの商品は確かに存在していました。
悲しいかな、受験戦争という言葉が生まれ、人々は一流大学に入ることが、人生バラ色の条件なのだと信じて疑わない時代。頭に特攻隊のような鉢巻を占め、まるで宗教のような施設で、狂ったように勉強を強いられたそんな時代。まぁ、今も似たようなものかもしれませんが・・・。
話を戻すと、確かに世の中に「頭脳パン」は存在していたのです。
効果のほどは押して知るべし。
中高生に蔓延
都心のとある進学塾で国語講師を務めるA氏(35才)は先日、教室内で異様な光景を目の当たりにしたという。
「中学3年生向けの授業の休み時間のことです。1人の男子生徒が見慣れない容器から錠剤をのんでいたので、声をかけたんです。風邪ひいてるのか? と。そうしたら、“いや、これ『スマートドラッグ』っていって、頭がよくなる薬なんです。親からのむよう言われていて”と平然と答えるわけです。驚きましたね」
A氏が目撃した「スマートドラッグ」とは一体なにか。医療問題に詳しいジャーナリストが語る。
「もともとは1990年代後半にアメリカの大学生の間で流行したものなんです。ADHD(注意欠陥・多動性障害)やナルコレプシー(過眠病)などの患者に処方される薬を勉強用に使い出した学生がいましてね。脳の中枢神経に作用して、“集中力を1箇所に集める”という効能に彼らは着目したわけです。
その過程で、脳神経系の薬の中で勉強効率の向上に使えそうなものが『スマートドラッグ』と呼ばれて拡散していった。一時はハーバード大学の学生の2割がスマートドラッグを使用しているというアンケート結果が出たほどで、これが今、日本に輸入されて劇的に広がっているんです」
国内では医師の処方箋が必要な薬でも、今はネット経由で海外から簡単に買える。日本の医薬品医療機器等法(旧薬事法)は、覚せい剤や大麻など違法薬物や、自己判断の服用が重大な健康被害を招く恐れのある一部の指定医薬品以外であれば、「個人の輸入」を認めているからだ。
このため社会人だけでなく、進学校などの中高生にも浸透し始めているのだという。前出の塾講師が続ける。
「生徒たちに聞き取り調査をしたところ、同じ類いの薬をのんだことがある、もしくは存在は知っている生徒が複数いました。“自分はやっていないけど大学生の兄がのんでいる”という生徒もいた。認めにくいのですが、のんでいた生徒の成績は確かによかった。塾長とも対応を協議していますが、結論は出ていません。とんでもない時代になったものです」
彼らの間で最も流行している薬が「ピラセタム」。元来てんかんや認知症の患者に処方されるものだが、脳の血流を改善し、思考力や記憶力にかかわるアセチルコリンを増大させる効能が注目され、「最強のスマートドラッグ」と呼ばれている。
出典:Livedoor News
>先人の知恵に学ばない、愚かな親
人類の英知と呼ばれる言葉があります。
この言葉は、私たちの祖先が悠久の歴史の中で知恵や知識・経験から生まれた、言わば「教訓」です。もし私たちが本当に賢い生き物であれば、これらの教訓を見逃すはずはありません。まさしく「苦労は買ってでもせよ」に逆行する行為といえます。
※手に入れるために苦労したとか言いそうですが・・・。
何ら苦労をすることもなく、努力をすることもなく、薬の力のみに頼り、安易に目的を達成しようとする。しかも、デメリットを何ら鑑みることなく、自分の子供に強要させる行為は「愚か」を通り越して、「哀れ」としか言いようがありません。
まさしく、世も末です。
親もこの体たらくなら、子も同様です。
子は親の背中を見て育ちます。なぜなら、もっとも身近にいるお手本は、学習塾の先生でも、学校の先生でもありません。親なのです。身近にいるお手本がこのような考え方では、もはや未来は見えているような気がします。
成績が上がっても、一流大学に入れても、いい会社に入れても、結局は上手くいかないでしょう。
だって、すべては自分の努力ではなく、薬の力なのだから。
効果は永遠には続かない。
スマートドラッグの効果
スマートドラッグを服用すると、得られると言われている効果です。
必ずこの効果が得られるわけではなく、人によっては全く効かない場合もあります。
- 集中力の持続力が増す
- 頭がスッキリする
- 頭の回転をよくする
- 記憶力を向上させる
- 目が冴える
※これらの効能は私が試した結果ではありません。
スマートドラッグの副作用
薬は化学物質なので、作用があれば必ず副作用があります。
また、一見無いように思えても、体に蓄積されることによって深刻な副作用が起きる可能性もあります。
- 認知力を低下させる
- 依存症になる可能性がある
- 感情に起伏がなくなる
- 身体の成長を阻害する可能性がある
- 食欲不振
- 人によっては幻覚を見る可能性があるらしい
- 脳の一部の機能を破壊する可能性がある
- 衝動が抑えられなくなる
- 集中力が増すあまり、周りが見えなくなる
※これらの効能は私が試した結果ではありません。 ※あくまでも可能性です。 ※個人差があります。
注意すること
ネットの情報に騙されないこと
ネット上にはこのスマートドラッグに関する情報がたくさん記載されています。
- 「すごくよかった!」
- 「効果抜群でした!」
- 「副作用は一切なし!」
- 「こちらから安く購入できます!」
- 「アメリカではすでに話題です!」
- 「多くの人が服用しています!」
- 「TOEICの点が劇的に上がりました!」
- 「確かに成績が上がりました!」
など、おいしい言葉がオンパレードしているサイトは注意する必要があります。
薬を服用して効果を実感できる人がいる一方で、副作用で苦しんている人が一定数いることも事実です。
都合の良い言葉だけを捉えて判断するのではなく、総合的な情報から判断する必要があります。
薬への耐性
スマートドラッグに限らず、同じ薬を飲み続けると、人間の体には薬に対する耐性ができます。睡眠薬などがその例です。
始めはある程度効果がでるけど、やがて効き目が鈍くなり、薬の量がどんどん増えていく。結局その繰り返しで、気が付いてみれば、あり得ない量の薬を常時服用しているなんて事になりかねません。
俗にいう「依存症に陥る」状態になってしまいます。人間は一度依存症に陥ると、なかなか抜け出せません。同じ薬を服用し続けるということは、依存症のリスクが多分にあるということです。
他の薬との飲み合わせ
これはスマートドラッグに限らず、他の薬との飲み合わせは非常に危険です。体の中でどのような化学反応が起きるのかは、誰にも分かりません。たとえプロの薬剤師であっても、スマートドラッグとその他の薬との相性を見極めるのは困難なことなのです。
世の中には、副作用がない薬など存在しません。また一見問題ないように思える薬であっても、「直ちに」副作用が出ないだけであり、将来的に何らかの影響を及ぼすことも考えられます。また「サプリメント(栄養剤)との併用なら副作用がなく安心です!」的なサイトもありますが、これも同様です。
取返しが付かくなってからでは、もう手遅れなのです。
誰にでも思うような効果が出るわけではない
人は物事を都合よく解釈する生き物です。
「スマートドラッグを飲んで勉強に集中できるならいいじゃないか!」と思っていると、痛い目を見ます。「集中する = 周りが見えなくなる」とも言えます。これは非常に危ない状態です。
また、集中力が上がったとしてもそれが勉強に向くとは限りません。
例えば、ある学生はスマートドラッグを服用して勉強しようとしたところ、クローゼットが気になってしまったようです。そして、一日中、クローゼットの中身を開け閉めし、掃除していたというケースがあります。
こうなってしまうと、勉強がおろそかになり、成績が著しく低下するばかりか、日常生活に支障をきたすようになります。
集中する対象が常に勉強に向くとは限らないということです。また、これらの薬は全ての人に効果をもたらすものではありません。薬を服用したものの、まったく効果がなかったり、逆に集中力が低下し、うつ状態になった人もいるぐらいです。
スマートドラッグは万能薬ではない、これを肝に銘じておくことです。
プラシーボ効果の可能性もある
これはアメリカの研究者がスマートドラッグについて検証した結果、薬の効果がある程度認められた一方で、少なからずプラシーボ効果も否定できないとする研究結果です。
プラシーボ効果とは「思い込み」のことです。
ただの水を「よく効く酔い止めだ」と思って飲むと本当に酔わなくなったり、「これは焼きゴテだ」といって腕に木の枝を押し付けると、実際に火傷したりする例があるそうです。また、想像妊娠もそうなのかもしれません。
これは、事実ではないにも関わらず、脳が思い込むことによって、身体的に影響を及ぼした例だと言えます。これと同じことがスマートドラッグにも起こっている可能性があると指摘するものです。
スマートドラッグの偽物や混ぜ物が蔓延している
スマートドラッグは現時点では主に、海外から取り寄せる方法が一般的なようです。これは日本だと薬事法などに引っかかる場合があるからかもしれません。「安くて、お得!」と記載している海外のサイトが多数ありますが、中には素人が勝手に調合したものだったたり、偽物が蔓延しているケースも多数あるようです。
このスマートドラッグの値段はまちまちであり、極端に安かったり高かったりする場合は、非常に慎重に判断する必要があります。
あとがき
人は白黒よりも、グレー(中途半端)を信じます。これは実に不思議なことですよね。占いなんて、その代表例みたいなもんでしょう。この化学全盛の時代に、非迷信的なことを盲信している人が一定数いるのは、紛れもない事実です。いや、化学全盛の時代だからこそ、人は目に見えないものに頼るのかもしれません。
「合格祈願の神頼み」や「ゲン担ぎ」なんて、最たる例かもしれませんね。こういった所謂(いわゆる)「流行りもの」も似たようなところがあるのかも知れません。薬で強化人間になったとしても、所詮は長続きしないのです。リスク覚悟で一時の夢を見るのか、それとも地道に努力を積み重ねるのか、その狭間でいつも揺れ動く私たち人類。
だが、これだけはハッキリと言える。
このスマートドラッグで栄光を掴んだ人間を、私はまだ知らない。