• 2015年4月8日

相次ぐ教職員の不祥事 背景に何があるのか?

相次ぐ教職員の不祥事 背景に何があるのか?

相次ぐ教職員の不祥事 背景に何があるのか? 424 283 パソコン生活サポート Pasonal

私はこのパソコン生活サポートを立ち上げて2年が経過しました。現在、小学生から大人の方までパソコン講座等を受講していただいています。ある意味、私も教師であり、物を教えている立場の人間です。なので、このような教職員の不祥事がクローズアップされるにつれ、「なぜ??」という思いが強くなっています。

今回の記事もかなりセンシティブな問題ですが、私なりに考察したいと思います。

 

教員の不祥事

  • 2014.09.01 静岡 中学トイレにカメラ仕掛け女子生徒2人撮影 教諭を逮捕 40歳
  • 2014.10.07 静岡 20代女性が運転する車で女性の胸触る わいせつ容疑で小学校教諭逮捕 30歳
  • 2014.10.14 神奈川 女子高生を路上で暴行 準強姦容疑で教諭逮捕 28歳
  • 2014.10.20 宮城 盗撮事件で証拠隠滅した校長と教頭を停職処分 56歳
  • 2014.10.21 千葉 淫行容疑で特別支援学校の教諭逮捕 35歳
  • 2014.10.25 長野県 私立高校教諭が生徒に暴言「飛び降りろ」日常的に「死ね」「クズ」 50代
  • 2014.10.27 鹿児島 勤務先高校に盗撮用ビデオを設置 元教諭を逮捕 33歳
  • 2014.10.30 横浜 高校教諭が女子高生盗撮疑い 現行犯逮捕 ?歳
  • 2014.11.06 茨城 小学校更衣室にボールペン型カメラ 男性教諭「隠し撮りしようとした」 ?歳
  • 2014.11.12 埼玉 女子高生買春疑い 私立高の国語教諭逮捕 44歳
  • 2014.11.27 横浜 同僚の10人から現金抜き取った小学校教諭 停職処分 37歳
  • 2015.01.20 群馬 徴収金紛失や万引き 男性教諭2人を停職処分 34歳 53歳
  • 2015.01.28 大分 「驚かそうと・・・」女子生徒にキスや抱きつき 公立中担任が停職 40歳
  • 2015.02.13 宮城 セクハラで児童男女15人が被害 小学校教諭停職 59歳

引用:産経デジタルニュース

(※産経デジタルニュースより引用いたしました。引用した記事に他意はありません)

 

まぁ、出るわ出るわと言った感じですね・・・。近年では特に、教師による犯罪や違法行為が大きくクローズアップされています。これでも引用したのはごく一部のケースです。これらの事件は氷山の一角であり、表に出ていないケースは多いでしょう。

今、教育の現場で一体何が起こっているのでしょうか??

 

学級崩壊と言われた2000年代初頭

学級崩壊が盛んに言われていたのはちょうどこの頃だったように思います。テレビのニュース等で盛んに特集が組まれ、もっとも熱く議論されていた時でした。ひとえに学級崩壊と言いますが、正確には「学級がうまく機能していない状態」を指すようです。こうなると、何が上手く機能していないから学級崩壊という区分けがかなり難しくなります。

つまりは曖昧な部分が多いためです。

学級崩壊という言葉からは「子どもたちに何かしらの異変が起きている状態」というイメージが強かったです。しかし、現在では教職員による不祥事が多発し、「大人も子供も」といった感じがします。教職員の不祥事自体は、かなり昔からありました。

ただ近年、頻繁にメディアに取り上げられるようになったということだと思います。

学校という密室で何が起きているのか・・・、分析をするのは容易ではありません。学校という場所は非常に特殊な場所であり、「学校内では不祥事、学校外では犯罪」と言われることもあります。

こちらのサイト「教育問題の解決方法を考える」を参考に読ませていただきました。子どもたちの家庭環境の変化や疲弊しきった教育現場の問題もあるようです。私は教育事情について少しずつ勉強していますが、「原因はコレだ!」と呼べるものは無いように思います。

(※学級崩壊の原因は複合的な要因であり、現在でも様々な本で論じられていますが、結論と呼ばれるものはありません)

 

教職員の犯罪は多いのか?少ないのか?

2015年現在の全国の小学校~高校の教職員数は以下の通りです。全体(小・中・高)として約100万人程度となっています。

  • 小学校の教員数:417,553人(約42万人)
  • 中学校の教員数:254,235人(約25万人)
  • 高等学校の教員数:235,062人(約24万人)

引用:総務省統計局の第22章・教育のデータ参照

 

男女別の割合は記載されていませんでした。

だいたいの推測になりますが、10人中3~4人は女性だと仮定すると、男性の割合は6~7割程でしょう。つまり、男性の教職員は約60万人程度だと思われます。さて、問題の犯罪の件数ですが、「警察庁」「文部科学省」の犯罪統計を調べてみましたが、残念ながら記載されていませんでした。ネットで調べてみると、教員の性犯罪率は通常の15倍という記事が多かったのですが、元になっている統計が明記されていないため、真意は不明。

ニュースや新聞、ネットニュースなどで見る限り「多そうだ」という体感でしかない。

ここで「警察庁の犯罪統計白書」を見てみよう。

 

平成23年(2011年) 犯罪種別、犯行時の職業別検挙人員

  • ※検挙人数とは「警察において検挙した事件の被疑者の数をいい、解決事件に係る者を含まない。 」

 

教員:わいせつ(強制・公然含む)

  • わいせつの検挙人数総数:4,978人
  • 教員のわいせつ検挙人数:64人(※強制・公然含む)
  • 教員における割合:1.2%

平成23年 教職員 わいせつ検挙人数

引用:警察庁の犯罪統計白書

 

平成24年(2012年) 犯罪種別、犯行時の職業別検挙人員

  • ※検挙人数とは「警察において検挙した事件の被疑者の数をいい、解決事件に係る者を含まない。 」

教員:わいせつ(強制・公然含む)

  • わいせつの検挙人数総数:5,328人
  • 教員のわいせつ検挙人数:86人(※強制・公然含む)
  • 教員における割合:1.6%

犯罪別 職業別犯罪件数

引用:警察庁の犯罪統計白書

 

意外と少ない

3~4年ほど前の資料ですが、数値は以上の通りです。教職員の犯罪はすごく多いというイメージがあったのですが、全体からみると少ないように思います。割合にすると約1~2%ということになります。ネット等を見てみると、「教職員の犯罪は多い!」という記事がかなりの確率で散見されますが・・・、意外です。

これは検挙された件数なので、数値上にないケースはもちろんあるでしょう。ではなぜ、世間で「教職員の犯罪=多い」とい印象があるのでしょうか?メディアの取り上げ方や、ネットでの情報の氾濫等のイメージが先行し、それが世間に浸透しているためと思われます。

(※平成25~26年のデータを参照していないため、正確な事は言えませんが)

 

教職員の不祥事はなぜ起きるのか?

とはいえ、教職員による不祥事があることも事実です。

 

規範意識(モラル)の低下

近年、規範意識がますます低下しているように思います。最近ではTwitter等のSNSの問題でも大きくクローズアップされています。「やってはいけない事の境界線」の区別ができない、または「理性が働かない人」が多くなっているのが現実です。

これは教職員に限らず、世間一般に言えることだと思います。

教職員で不祥事を起こす人の年齢はバラつきがありますが、総じて年代が高いように思います。もちろん時代背景にもよりますが・・・。かなり昔には問題もなかった出来事でも、近年ではタブーとされることも多々あるでしょう。

 

学校という閉鎖された空間

「学校内では不祥事、学校外では犯罪」と言われるように、学校は外部から目が届きにくい閉鎖された空間です。それ故に「身内の隠蔽体質」や「かばい合い」のような問題もはらんでいます。教育委員会やPTAという組織もありますが、それでも学校の内部まで影響力を及ぼしているわけではありません。

つまり、学校という場所は「内々で処理する」という考え方が未だに根強いと思います。

 

採用時の問題

教職員を採用するときには、免許を取得し、研修を受けなければなりません。しかし、犯罪歴の有無(特に性犯罪)などは特に考慮されていないのではないでしょうか?本人が犯罪歴を隠して、教師という職についてしまえば、ほとんど分かりません。現在、教職員の採用面接の際にどのような方式となっているか分かりませんが、ここにも問題があるように思います。

現実に、過去に何らかの不祥事を犯した教職員が、別の学校で再び教鞭を取っていたというケースも多々起こっています。同じ人が場所(学校)を変えて、同じような犯罪を繰り返しているということです。

 

教師という職業上の問題

教職員の仕事は非常に多岐に渡ります。

20人を超える子どもたちの管理や、業務日誌、会議、イベントなどなど、業務がオーバーワークなのではないでしょうか?「教職員の仕事の量は年々大きくなっている」と言う教職員の方は、結構多いと思います。つまり、仕事のストレスやオーバーワーク等で教職員の方も疲弊し、精神に異常をきたしているケースも多々あると思います。

実際に、教職員が精神的なストレスで登校拒否になったり、辞職するケースが数多くあるようです。

教職員をサポートする組織やセーフティネットが機能していない事も原因ではないでしょうか?

 

やっぱり男と女

教師からみれば、中学生や高校生などの女生徒は(人の見方によりますが)大人とも言えます。一方女学生にとっては身近にいる大人の男性です。お互いに「教師」「生徒」という区別はあるものの、閉鎖的な空間ではやはりお互いが一線を越えてしまうケースはあるでしょう。

実際は「教師と生徒が上手くいっているケース」は表には出ないだけで、「関係がこじれた場合に表に出てくる」場合もあると思います。とはいえ、教師と生徒の関係は許されるものではありません。

ですが、人間というものは「いけないことほど燃え上がるもの」という言葉もありますからね・・・。

 

総括

上記のような原因が考えられるわけですが、実際のところはハッキリとは言えませんね・・・。今後、教職員の犯罪はますますクローズアップされていくと思います。この風潮はしばらくは無くならないでしょう。今回このような記事を書きましたが、教職員の方を誹謗・中傷する意図はありません。

本当に真面目に、そして生徒の事を親身になって考えている教員のかたの方が多いと思います。今私たちが出来ることは、教職員の方々を厳しく非難することではありません。

教師・生徒ともに、教育という現場の歪みや問題をキチンと認識し、対策を立てていくことだと思っています。そのためには、現状を少しでも分析し、冷静に物事を判断する知識を持つ必要があると思います。「教師=悪い奴らだ!」で、片づけるべきではないのです。

教育という難しい問題を見つめ、お互いに不幸なケースを少しでも無くす取り組みを模索していくほかありません。