• 2016年2月1日

難民問題の限界か 分裂する欧州の行く末とは・・・

難民問題の限界か 分裂する欧州の行く末とは・・・

難民問題の限界か 分裂する欧州の行く末とは・・・

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中東やアフリカから欧州に押し寄せる難民の波は今年に入っても収まらず、各国は規制を強める。昨年、人口比では欧州連合最大規模の難民を受け入れたスウェーデンは、難民申請が却下れた最大8万人を国大退去させる方針を明らかにした。『寛容な福祉国家』といわれるこの国の変容は、EUの難民政策が機能不全に陥ったことを物語っている。
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スウェーデン8万人追放へ

スウェーデン8万人追放へ

 

丸目から北に約40キロ、約3万人が住むランツクローナ。公営団地が並ぶ地区では、ほとんどの窓が昼間でもブラインドを下ろしている。「移民の家の特徴です」と別地区に住む政治学者アンデシュ・ペルソンさんが説明した。

団地にはかつて、基幹産業だった造船所の労働者が住んでいたが、1990年代には旧ユーゴスラビア紛争を逃れてきた難民の居住地となった。スウェーデンはその後も各地の難民を積極的に迎え、現在ランンツクローナの人口の2~3割が難民・移民とみられる。

住居や生活費、スウェーデン語はもちろん母国語の授業も提供して「統合」を進め、多文化主義の模範とされたスウェーデン。

だが、内実は「分断だった」とペルソンさんは言う。移民は郊外や地方都市に住み、地元のスウェーデン人は教育水準の高い都市に通学する。スウェーデン人と移民が共存しながらも交わらない「パラレル(並行)社会」とペルソンさんは呼ぶ。

「解決策は誰にも分からない。問題の深刻さに気付き、スウェーデンはようやく議論を始めた」

 

 

一変した移民政策

一変した移民政策

 

スウェーデンでは昨年、約16万人が難民申請をした。隣国デンマークとオースレン橋でつながるマルメは玄関口となった中央駅で「歓迎」のボードを掲げ、ボランティアが支援に駆けつけた光景は、三ヶ月で一変した。

流入を抑えたい政府は年明け、デンマーク側の国境で身分証の確認を始めた。旅券なしでは橋を渡れず、入国する難民は1日100人足らずに激減。

態度を硬化させたのは、「もう限界」という国民の悲鳴を反映する。

マルメ 中心で雑貨店を営む女性は「老人福祉の予算は削減され、年金生活者や零細企業が苦しんでいる。難民ば権利ばかり主張するのは許せない」と憤る。

直近の支持率で、中道左派の与党、社会民主労働党は半生記で最低の23%に落ち込んだのに対し、反移民の極右政党、民主党は2割に迫った。「移民を止めるべきだ」とうとうの主張の正しさが証明された。際限なく受け入れる国ではない、というシグナルを送ることは必要だ」。民主党マルメ地区政治アドバイザー、アンダションさんは強調する。

 

 

ポピュリズム

ポピュリズム

 

旅券なしで域内を自由に行き来できることは欧州統合の根幹だ。しかし、昨年来、ドイツ、オーストリアなどで次々と国境審査が復活。デンマークでは、難民申請者が所持する1万デンマーク(約17万)を超える財産を没収し、滞在費用に充てる新法が成立した。同様の措置はスイスやドイツの一部の州も導入し、国民の不満を無視できない各国は、EUの理念より時刻の利益を優先させる。

EUは昨秋、ギリシャやイタリアに滞留するシリア難民ら計16万人を各国で分担すると決めた。実施されたのはわずか400人。欧州への入り口であるトルコに、資金援助を求めたが、成果は見えない。欧州委員会のユンケル委員長は、「加盟国が(難民問題で)必要なことを実行していない」と批判する。

EUが実行策を示せなければ、反移民を唱えるポピュリズムの勢いは止まりそうにない。

中日新聞:総合11版

 

 

難民にダメージ 住民分断

ドイツ西部ケルンで昨年の大みそか、複数の男たちが通行人の女性の1000件近い窃盗や性的嫌がらせ、レイプなどをした事件から1ヶ月。逮捕者に中東からの難民申請者が含まれていたことから、難民のイメージは悪化した。しないで反イスラム集会が開かれる一方、排外主義に反対するデモもあり、住民の意見は二分する。2月4日の大規模なカーニバルを控え、治安上の不安が持ち上がっている。

 

「大みそかにみたでしょう。イスラム京都に自由を与えるとどうなるか。彼らは女性を見下し、何をしてもよいと考えている」

冷たい雨が降った1月31日、事件現場から約600メートルの広場に集まった反イスラム団体「ウィーダーシュタント(抵抗)」のメンバーがマイクを握り訴えた。支持者はケルン内外から集まった中年の男女ら約20人。難民に寛容な政府の姿勢が中東からイスラム教徒や難民の流入を招いたとし、「メルケル首相は出て行け」と声を合わせた。

対抗するように200人などのリベラル派も集結。「排外主義のナチスは出て行け」などと応戦したが、ウィーシュタントの訴えは、一部住民の潜在的な感情を端的に表す。

女子高生のデックさんは「難民は私たちの助けを必要としていると思っていたけど、今は完全に否定的」と語る。友人のバールさんは、「最近、難民らしい男たちに『セクシーだね』と声をかけられるようになった」と不安がる。

 

身を守るための催涙スプレーは女性の必需品になり、護身用の銃器所持の許可申請も増えたという。

ケルン近郊の町ボルンハイムは、公営プールへの難民男性の立ち入りを一時的に禁止した。施設内で、難民とみられる3~4人の男が女声を囲み、身振りや言葉で性的な嫌がらせをしたことが理由だ。

副市長のシュナプカさんは「イスラム教徒は結婚するまで性的な関係を持てない。性的に欲求不満を抱えた難民もいる」と語り、男女対等のドイツ文化を分かってもらうためにも、立ち入り禁止は有効だったと理解を求めた。

こうした中、ケルンで4日から始まる伝統のカーニバルは難民との共生が試される場になる。10日までの期間中、酒に酔った人々が互いに抱擁し、キスするなど無礼講が許される。

市当局は、無礼講の振る舞いを控えるように市民に呼びかけているが、実行委員会の広報担当のクレブスさんは「難民の参加も歓迎。警察がしっかり警備してくれるし、中世からオープンで寛容なこの町の伝統は揺るがない」と名言した。

排外主義反対デモに参加したケルン市民のミュラーさんも「大みそかの問題は女性を性暴力から守ることで、人種や宗教の問題ではない。ドイツはそれ以前から多くの性暴力がある」と特定の集団を敵視する風潮にぐぎを刺した。

ただ、この機会が住民と難民の歩み寄りのきっかけになるかは微妙だ。ケルンで暮らすエリトリア難民のゲブレさんは「ドイツ人が難民に怒る気持ちも分かる。まだ怒っているだろうから、カーニバルには行かない」とつぶやいた。

中日新聞:国際11版

 

 

岐路に立つ難民問題

岐路に立つ難民問題

 

今、欧州各国が難民問題で大きく揺れています。長年、移民や難民に寛容な姿勢を取り続けてきたドイツや欧州は、ここにきてその姿勢を180度転換しはじめたからです。もともと欧州は(国によってまちまちだが)中道左派が強く、積極的に難民を受け入れてきた経緯があります。

ここ日本では難民や移民に関して非常に厳しい立場をとっているので、難民の受け入れは昨年では5000人中、わずか11人程度と言われています。つまり、わたしたち日本人の実生活においては、難民問題や移民問題は切実な問題とは言えず、どうしても欧州各国の難民問題についてピンとこない人々が圧倒的に多いのではないでしょうか?

 

ですが、日本も高齢化社会が進んでおり、一方で移民や難民の受け入れがしばしばクローズアップされたりもします。かつての民主党が政権を執っていた時期には、(周辺諸国などを含めた)1千万人の移民や難民を受け入れると声高に叫んでいた民主党議員さんが何人かおられました。1千万人というのは途方もない数ですが、ただの政治的な発言だったのか、それとも、民主党政権下で本当に議論していたのかは定かではありませんが、一時期議論されていたことは記憶に残っています。

現在の安倍政権下では、難民・移民の受け入れは積極的ではないので、ほとんど報道されたり、議論されたりすることが無くなりました。しかし、日本も政権が交代すれば、やがてこの議論が大きくクローズアップされる日がくるのではないかと考えています。

 

欧州の難民の場合、中東のシリア内戦から逃れてきた人が圧倒的に多いのが特徴的です。シリアは2011年頃から内戦が始まりました。また、もともと国民数が多いワケではなく、台湾と同等の2200万人程度だと言われています。そのうちの約半数に当たる1200万人が欧州各国に難民として避難しています。

実にシリア国民の半分が欧州各国に難民として流入しているのです。

これだけ見ると、すごい数ですね・・・。

さすがにドイツ一国だけでは受け入れは到底不可能です。

 

イスラム教原理主義者

 

シリアは宗教的にはイスラム教に属しています。また、イスラム教はといってもさらに多くの宗派に分かれています。例えば、スンニ派、シーア派、アラウィー派(これは少数)などがありますが、内部で深刻な宗派対立が起きているのが現状です。そのイスラム諸国の中で問題となっているのが、イスラム教原理主義者を名乗るISIL(イスラミック ステート)です。

シリア周辺国は、ISILの台頭、内戦の勃発、宗派対立などもあり状況がさらに悪化、世界におけるイスラム教の印象も、急速に悪くなっています。また、「キリスト教」と「イスラム教」の対立も徐々にですが世界レベルで亀裂が深くなっているようです。

 

難民を受け入れる側の欧州は「キリスト教」、一方、難民は「イスラム教」であり、宗教的な違いから日常生活での問題が大きくなっています。そのため、極右政党の支持者が近年徐々に拡大しはじめ、頻繁にデモまで行われるようになっています。また、それに対するカウンターデモ(中道左派など)も発生するようになり、ドイツ人同士で「難民を追いだそうなんて、ナチスと同じだ!」とか、「難民を国から追い出せ!」などの、まさに国民を二分するような、同民族での対立も起き始めています。

ですが、つい最近ドイツをはじめ、欧州諸国の対応がこれまでとは明らかに違ってきました。手のひらを返したかのように、自国へ押し寄せる難民を抑制し、他国へ行くように促すという、まるで「たらいまわし」的な現象が起きているのです。

 

ドイツの大手新聞のネットニュースなどを見ていると、今までは、「難民を受け入れるのは私達の義務なんです。そんな私たちって寛容で素晴らしいですよね!」の自画自賛の論調が多く、難民による犯罪が起きても、しら~んぷりだったのですが、今では、「これ以上は受け入れがたい!難民をもっと積極的に制限すべきだ!」と、180度違う論調が登場しているぐらいです。

なぜかドイツではこういう真逆の現象がある日突然、降って湧いたかのような論調になったりします。

これはドイツメディアの特徴といってもいいと思います。

 

これは、日本と中国との関係もドイツ紙は同様の論調でした。「なぜ日本は中国などの周辺国と仲良くできないんだ?!日本の歴史認識が問題に違いない!!」といった論調が多く、一方、中国に対しては「中国は色々な問題は抱えているけど、素晴らしい国だ!これからのアジアの盟主は中国だろう!!」と、散々褒めちぎった社説や論調が多かったです。これは、ドイツの大手新聞紙ビルト(タブロイド紙)や、ディーツァイトでよく見られたものでした。

まぁ、ドイツからしてみれば、中国は日本とは比べ物にならないくらい巨大なマーケットなので、こういった論調も仕方がないかなぁと思っていました。そもそも、ドイツを含めた欧州諸国は、日本と中国の歴史認識なんてほとんど関心ありませんからね・・・。

簡単にいうと、欧州諸国では「日本=悪、中国=善」の論調が多かったということです。

 

少し話がそれましたが、今欧州では日を追うごとに難民問題がジワリジワリと広がっているということです。右派、左派の国内対立、宗教対立、ヘイトクライムなど、難民問題の波及はすごい勢いで欧州各国に広まりつつあります。それに伴い、あれだけ絶大な支持率を誇ったメルケル首相の支持率も、最近の調査では急降下しています。

 

今、欧州はまさしく岐路に立っています。

 

このまま、難民をた「らいまわしにする現象」が欧州のあちこちで起こるのでしょうか?寛容の国を自負するドイツやスウェーデンが今後、どのような対策を立てていくのかを私達日本人もしっかりと見続けていく必要があります。

なぜなら、この問題は決して対岸の火事ではないのだから・・・。

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